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逆援疑惑を追及

もちろん、鳩山偽装献金が悪くないとは言わない。しかし、そこに自民党のような「構造腐敗」があるのかどうか。つまり、税金をチョロまかし、バラま き、見返りを求めるという腐敗である。少なくとも、鳩山の醜聞にそれはない。なにしろ、偽装献金の原資の大半は自分のカネか大金持ちの母親の資産なのであ る。

 偽装献金の総額が9億円に及ぶ可能性が報じられ、自民党は色めき立っているが、鳩山家の資産規模を考えれば、驚くほどの話ではない。 ジャーナリストの佐野眞一氏が書いた「鳩山一族 その金脈と血脈」(文春新書)には目をむくような話が山ほど出てくる。鳩山首相の母親・安子さんはブリヂ ストンの創業者・石橋正二郎の長女だが、正二郎の長男・幹一郎が死去したときに課せられた相続税は1135億円である。鳩山威一郎の遺産は50億円の音羽 御殿、26億円の軽井沢の土地と別荘、株式60億円、定期預金15億円。これを受け継いだ由紀夫と邦夫は、それぞれ17億円の納税をしている。

 鳩山由紀夫は現在、時価56億円のブリヂストン株を筆頭に王子製紙、東京電力などの株を持つ。預金は12億8000万円。株と預貯金などの合計資産は86億円である。

 佐野氏は1991年の時点で鳩山の母親・安子さんがブリヂストン株を1240万株持っていたことを紹介し、現在も1200万株保持していれば、鳩山兄弟と合わせた株の時価は300億円になると書く。

 ため息が出るような話だ。11月30日の国会で自民党の参院議員が「母親からの資金提供は違法子ども手当だ」と批判していたが、いきり立つのもバカバカしくなる。贈与税のチョロマカシだとか、違法税還付だとか、少なくとも、全然、見当違いなのである。

●疑惑よりも景気対策を急ぐべし

 自民党は鳩山疑惑を追及するために国会を12月18日まで延長しろ、と言う。そうなれば、予算編成が大幅に遅れて、国民生活に重大影響が出る。それでも自民党は「やれ」と言う。ホント、分かっていない政党だ。

 政治解説者の篠原文也氏は「自民党も勝負は通常国会と思っている。民主党が強気で臨時国会を閉じてくれることになったので、むしろ、ホッとしているのではないか」と言う。

  本当にダラダラ国会になれば、自民党議員は審議拒否を続けられず、郵政民営化凍結法案で踏み絵を踏まされてしまう。鳩山疑惑追及というKYを続けていれ ば、景気対策が遅れ、国民の非難を浴びる。その点、今週いっぱいの審議拒否であれば、メンツも立つし、仲間割れも防げる。だから「むしろ、喜んでいる」と いう見方である。

 ま、そんなところもあるのだろうが、だとすれば、ますます、情けない自民党だ。与党の顔色をうかがい、審議拒否というファイティングポーズだけで、脳死状態が続いている自民党は、本当に解党するしかない。見苦しい悪あがきはやめて、とっとと解散すればいいのである。

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